伸縮ハンドルを壊さない方法
伸縮ハンドルはデリケートなメカニズムですが、自然に劣化する部品はありません。故障の大多数は人の扱いによって起こります。
伸ばした状態から縮めようとして、縮まらない時どんな押し方をしますか?
上からハンドル全体を押し下げようとしてはいけません。
ストッパーに引っ掛かりがあるときは余計に引っ掛かりが強くなるばかりで破損に至ります。
①ストッパーを押し下げずにグリップ部の押しボタンを押し込むように、グリップの下側にも指を入れてボタンだけを押します。
②これでストッパーが引っ込まなければストッパーを指で押し込む作戦です。
押込みできなければそれ以上しないでお持ちください。
上段パイプは下がったが中段が下がらない
中段パイプのストッパーはスーツケース本体の中に隠れていますが、このストッパーを引っ込めるのに押しボタンは無関係です。
③この場合は中段パイプを握って上段パイプを押込むように両肩を押し下げます。
①~③いずれの場合もそしてこれ以外の場合も、固い物に当った行き止まりを感じたらそれ以上力を加えないで2~3度やり直してください。力任せに押し下げようとすれば壊れます。
ファスナーの壊れる使い方
ファスナーの故障で最も多いのは下写真の例です。
左右を閉じ開きする嚙み合い部分(エレメント)、金属製だったり何種類かありますが、圧倒的に多いのがコイルファスナー、樹脂の細い棒をコイル状に巻いて平らに潰したような構造です。コイルと布地のテープが外れてしまう故障が大半を占めます。
こんな風にコイルとテープが壊れてしまう原因はスライダーを中途半端な位置のまま本体ボディを開くことが原因です。
このように壊れたファスナーは全交換以外に修理法がありません。
スライダーを目いっぱい端っこまで開いても、布テープには結構なテンションがかかっています。
スライダーを途中で止めたまま開いたら、引きちぎる結果になってしまいます。
スライダ―は必ず端っこまで移動させてからボディを開いてください。
壊れる使い方 伸縮ハンドル編
ご注意ください。こんな使い方すると壊れます。
伸縮ハンドルのストッパーは小指の先くらいの華奢な部品です。
5kgのダンベルをチェーンで持ち上げたら、チェーンの一コマづつに5kgの重量がかかりますよね。
スーツケースを伸縮ハンドルで持ち上げると、ストッパーにもスーツケースの全重量がかかります。(2本ハンドルなら半分の重量)
持ち上げる時は絶対固定ハンドルで!
段違いの伸縮パイプ
下写真のような伸ばし方を時々見かけます。
よく見ると左側のストッパーしか出ていません。
右パイプは本体を引く力を全く負担していません。
路面の石や歩道の段差を乗り越えるためにわざと強く引いて段差に乗り上げる時、片方のストッパーだけがその衝撃を受け止めていたら当然壊れます。
伸ばす時は、一度最大長さに伸ばしてからお好みの長さに調整すると、左右ともストッパーが出た状態になります。
旅先での故障と応急法
旅先で故障したら思い出してください
(スマホのブラウザにお気に入り登録しても、南極や高山、砂漠では見られませんよ)
旅先で故障したらパニックになりかねないですよね。
落ち着いて対処し、傷を深めないでご帰還下さい。
症状別の対処法をまとめてみました。
でもまずは現地背景で故障部位の写真を撮りましょう。
海外旅行なら大抵保険が使えます。
タイヤ・キャスターが旅先故障したら
ダメージを拡げずに帰国する応急法
修理のご依頼で一番多いのがタイヤ・キャスターです。帰宅までに無理をするとダメージが広がってしまいます。
故障パターン
パターン1 ゴム部分が細かく又は左右に割れる
パターン2 タイヤがロックして回転しない
パターン3 フォークが傾き、又はロックして回らない
パターン1の場合、多くは背面側が先に壊れます。壊れたまま無理に引きずるとダメージがフォークや本体まで広がります。
前面側タイヤ2個が無事なら逆に傾けて引けばダメージを拡げないで済みます。傾けすぎると路面の凹凸に本体などこすりやすいので気を付けてください。
上記の応急法が使えない場合も結構あります。
2輪タイプのスーツケースや前面背面両方でタイヤ破損などです。
この場合はホテルや空港などその場所で借りられるカートや台車を探しましょう。
飛行機を降りて預けたスーツケースを受け取った時に壊れていたら、
出来る限り航空会社のカウンターに行って保証の書類をもらいましょう。
ツアーなど時間が取れない場合は添乗員に相談ください。ほとんどの場合で何らかの保険が使えます。
伸縮ハンドルが旅先で故障したら
不便を減らし、ダメージを拡げずに旅先から帰還するための応急法をまとめました。
それ以前に壊れないように気を付けましょう。
スーツケースを持ち上げる時は固定ハンドルで持ち上げてください。伸縮ハンドルで持ち上げると壊れます。
以下で説明するストッパーは小指の先ほどの小さな華奢な部品です。本体と荷物の重量をかけると簡単に壊れます。
故障パターン
(1) 伸びたまま縮められない
(2) 縮んだまま伸ばせない
(3) 伸ばした位置で固定できず離すと縮む
(4) 収納位置で固定できず勝手に出てくる
(5) パイプが曲がった、折れた
故障パターン(1)と(2)はパイプ長さを固定するストッパーが出たまま引っ込まないのが原因です。
パイプから横に出ている金属の突起です。
これを指で押し込んでやると長さが変更できます。
押し込めない場合は内部で部品のカケラがはさまってます。寝かせたり逆さまにしてコンコン叩くと外れる事があります。
本体の中にもストッパーがあります。穴は上下に2か所開いててストッパーはどちらかに出てます。
伸ばしてる時は上、収納時は下です。
パイプの裏側に隠れている場合もあります。
これも押し込んでやると動かないパイプが動きます。
最近のスーツケースはほとんどがファスナー式です。縦又は横に直線のファスナーが多いですが、時々外周ぐるりのタイプもあります。
古いスーツケースで内袋が糊貼りしてあるものもあります。布地の上から触ってストッパーを探します。
故障パターン(3)(4)の場合
故障パターン(3)、(4)の場合は出るべき位置でストッパーが出てこない故障です。旅先の応急処置はガムテープで固定するのが簡便です。
耳を付けておくと位置替えもスムーズです。
航空機搭乗の際は収納して固定しないとぽっきり折られてしまいます。
故障パターン(5)では
旅先でパイプが折れてしった場合は吊り下げハンドル(上の写真で薄茶色の固定ハンドル)にひもかベルトをつけて傾けるぐらいしか手がありません。
折れちゃったパイプも持ち帰ると修理に使えるかもしれません
海外旅行ならほぼ保険で治せます。
(1)航空機搭乗中、預けた荷物の故障は航空会社に請求できます。受け取ったらすぐ点検、壊れてたらすぐに航空会社の係員に、団体ツアーなど送迎バスの時間が迫ってたらツアーの添乗員に申し出しましょう。
預ける前に写真を四方から撮っておけば完璧です。
(2)現地での旅程中に故障した場合は旅行保険が使えます。
ツアーでは旅行保険代が含まれてるかどうか申込時に確かめましょう。
(3)別に保険料を払って加入する旅行保険もありますがクレジットカードをお持ちでしたら、ほとんどのカードに旅行保険が付録で付いてます。旅行費用をカード払いした場合とか条件がカードによって様々ですので、出発前に確かめておきましょう、現地での買い物ででカード払いしても適用という条件も聞いた事があります。
(4)レアーなケースですが日常生活損害賠償責任保険もあります。友達などに借りたスーツケースを壊しちゃった場合にその損害を賠償する保険です。
自転車で人を怪我させた場合の保険が加入義務になりましたが、物損も含んでいる保険が多いようです。自転車単独で加入するより自動車保険や生命保険のオプションが低価格で入れます。
国内旅行もOKですが自分のスーツケースでは使えない保険です。
保険会社によって海外では使えないとか違いがありますのでお確かめください。
ご注意 クレジットカードや自動車/生命保険などお客様がご加入の会社によって使えなかったりするものがあります。
必ずご旅行前に使えるものがあるかお確かめください。
スーツケース、キャリーバッグのキャスター修理・タイヤ交換で好評です