「4.旅先で故障したら」カテゴリーアーカイブ

無理に引いて帰るとダメージが広がってしまいます。
不便ではなく、ダメージを拡げない応急法をお教えします。

伸縮ハンドル、壊さない使い方 1

伸縮ハンドルのしくみ 

伸縮ハンドルはデリケートなメカニズムですが、自然に劣化する部品はありません。故障の大多数は人の扱いによって起こります。

まずは構造からアバウトに見て見ましょう

使い方がわかれば仕組みなんかいらん方は 次へ>

一番多いストッパー形式の3段伸縮タイプ。 
3段階の左右に一個づつストッパーがあります

このほかにも別のメカニズムがありますが、このタイプがほとんどです。

ストッパーは大体こんな風です。
下へ押すと横へ引っ込みます。

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 ・伸縮ハンドルのしくみ
 ・縮める時(必見) 
 ・伸ばす時
 ・使ってる時
 ・故障しちゃったら

伸縮ハンドル、壊さない使い方 2

伸縮ハンドルを壊さない操作法1・収納時 
上段パイプ

2ステップ操作で傷んだ伸縮ハンドルもスイスイ動きます。そして寿命を延ばします。
まずは一番壊しやすい収納時の操作法

第1ステップではハンドルを押し下げないで、ボタンだけを握り部分に押し込みます。
握り部分を下から支え、ボタンだけを握りに押し込むとストッパー爪は抵抗なく引っ込みます。
次に第2ステップでハンドルを押し下げます。

収納するときボタンを押しながら同時に握り部分を押し下げている人がほとんどですが、ストッパーに無用な摩擦を与えて傷つけています。
2ステップに分ける事で寿命がぐっと延びます

大型のスーツケースではスーツケース本体の外に1段だけパイプが出てきてストッパーは見えません。ストッパーが本体内に隠れているだけで仕組みはこの上段パイプと同じ、2ステップ法も同じです。

伸縮ハンドルを壊さない操作法2・収納時 
中段パイプの縮め方

一番壊しやすいのが中段パイプです中段以下のストッパーはボタンでは引っ込みません、上のパイプの下端が中段ストッパーの頭部を押すと引っ込みます。

ACEGENEなど一部の機種では中段以降も押しボタンを押して収納するタイプがあります。それらの機種ではこのページの操作の後もう一度押しボタンを押すなどの操作が必要な場合があります。
健全なうちにお確かめください

新品のうちは上段パイプが下りてくるだけで中段ストッパーが引っ込みますが、やがて引っかかるようになります。

ここでの操作のコツは上段と同じです。
第一ステップ「中段パイプを押し下げずに、上段パイプを中断パイプの中に押し込む」
=「中段パイプの上端を握って下がらないように支えて、上段パイプを親指で押し込む」です。
左右両方のパイプでカチッと音がしたら第2ステップで下げます

ストッパーにストレスを与えず引っ込めるやり方です。
3段目以降は中段と同じやり方です。

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 ・縮める時(必見) 
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伸縮ハンドル、壊さない使い方 3

伸縮ハンドルを壊さない操作法・伸ばし方

2ステップ操作で傷んだ伸縮ハンドルもスイスイ動きます。そして寿命を延ばします。
二番目伸ばす時の操作法

第1ステップではハンドルを押し下げも引き上げもしないで、ボタンだけを握り部分に押し込みます。
握り部分を下から支え、ボタンだけを握りに押し込むとストッパー爪は抵抗なく引っ込みます。
次に第2ステップでハンドルを引き上げます。



2段以上の伸縮パイプは最大長さまで引き上げて、左右のパイプ継ぎ目が同じ高さになってから、ボタンを押したままパイプを押し下げて好みの高さにします。
下の写真のように左右の継ぎ目が段違いのまま使うと故障原因になります

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伸縮ハンドル、壊さない使い方 4

伸縮ハンドルを壊さない使用法

ハンドルを延ばして引いていて、階段などに差し掛かった時、ついそのまま伸縮ハンドルで持ち上げてしまいますね。
それ絶対ダメです。持ち上げるのは固定ハンドルです。

伸ばしたハンドルに別の荷物を載せ、傾けて引く
これもダメです。段差でガタゴトその衝撃でパイプが割れたりたわんだり。
一部のメーカーでそういう使用法を取説に書いている銘柄以外はしてはいけません。
4輪でのみ走行するなら多少はマシ?

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伸縮ハンドルが旅先故障したら

伸縮ハンドルが旅先で故障したら

不便を減らし、ダメージを拡げずに旅先から帰還するための応急法をまとめました。

それ以前に壊れないように気を付けましょう。
スーツケースを持ち上げる時は固定ハンドルで持ち上げてください。伸縮ハンドルで持ち上げると壊れます。
以下で説明するストッパーは小指の先ほどの小さな華奢な部品です。本体と荷物の重量をかけると簡単に壊れます。

故障パターン
(1) 伸びたまま縮められない
(2) 縮んだまま伸ばせない
(3) 伸ばした位置で固定できず離すと縮む
(4) 収納位置で固定できず勝手に出てくる
(5) パイプが曲がった、折れた


故障パターン(1)と(2)はパイプ長さを固定するストッパーが出たまま引っ込まないのが原因です。
パイプから横に出ている金属の突起です。
これを指で押し込んでやると長さが変更できます。
押し込めない場合は内部で部品のカケラがはさまってます。寝かせたり逆さまにしてコンコン叩くと外れる事があります。

本体の中にもストッパーがあります。穴は上下に2か所開いててストッパーはどちらかに出てます。
伸ばしてる時は上、収納時は下です。
パイプの裏側に隠れている場合もあります。
これも押し込んでやると動かないパイプが動きます。

最近のスーツケースはほとんどがファスナー式です。縦又は横に直線のファスナーが多いですが、時々外周ぐるりのタイプもあります。
古いスーツケースで内袋が糊貼りしてあるものもあります。布地の上から触ってストッパーを探します。





故障パターン(3)(4)の場合

故障パターン(3)、(4)の場合は出るべき位置でストッパーが出てこない故障です。旅先の応急処置はガムテープで固定するのが簡便です。
耳を付けておくと位置替えもスムーズです。
航空機搭乗の際は収納して固定しないとぽっきり折られてしまいます。




故障パターン(5)では

旅先でパイプが折れてしった場合は吊り下げハンドル(上の写真で薄茶色の固定ハンドル)にひもかベルトをつけて傾けるぐらいしか手がありません。
折れちゃったパイプも持ち帰ると修理に使えるかもしれません

 ・伸縮ハンドルのしくみ
 ・縮める時(必見) 
 ・伸ばす時
 ・使ってる時
 ・故障しちゃったら

ファスナーの壊れる使い方

ファスナーの壊れる使い方

ファスナーの故障で最も多いのは下写真の例です。
左右を閉じ開きする嚙み合い部分(エレメント)、金属製だったり何種類かありますが、圧倒的に多いのがコイルファスナー、樹脂の細い棒をコイル状に巻いて平らに潰したような構造です。コイルと布地のテープが外れてしまう故障が大半を占めます。

こんな風にコイルとテープが壊れてしまう原因はスライダーを中途半端な位置のまま本体ボディを開くことが原因です。
このように壊れたファスナーは全交換以外に修理法がありません。

スライダーを目いっぱい端っこまで開いても、布テープには結構なテンションがかかっています。
スライダーを途中で止めたまま開いたら、引きちぎる結果になってしまいます。
スライダ―は必ず端っこまで移動させてからボディを開いてください。

旅先で故障したら

旅先での故障と応急法

旅先で故障したら思い出してください

旅先で故障したらパニックになりかねないですよね。
落ち着いて対処し、傷を深めないでご帰還下さい。
症状別の対処法をまとめてみました。
でもまずは現地背景で故障部位の写真を撮りましょう。
海外旅行なら大抵保険が使えます。

旅先でよくある故障と応急対処法
  ・キャスター・タイヤ (ひび割れ、ロック)
  ・伸縮ハンドル (伸縮動作不良)

タイヤ・キャスターが旅先故障したら-ダメージを拡げずに帰国する応急法

タイヤ・キャスターが旅先故障したら
ダメージを拡げずに帰国する応急法

修理のご依頼で一番多いのがタイヤ・キャスターです。帰宅までに無理をするとダメージが広がってしまいます。

故障パターン
パターン1 ゴム部分が細かく又は左右に割れる
パターン2 タイヤがロックして回転しない
パターン3 フォークが傾き、又はロックして回らない
 

パターン1の場合、多くは背面側が先に壊れます。壊れたまま無理に引きずるとダメージがフォークや本体まで広がります。
前面側タイヤ2個が無事なら逆に傾けて引けばダメージを拡げないで済みます。傾けすぎると路面の凹凸に本体などこすりやすいので気を付けてください。

上記の応急法が使えない場合も結構あります。
2輪タイプのスーツケースや前面背面両方でタイヤ破損などです。
この場合はホテルや空港などその場所で借りられるカートや台車を探しましょう。

飛行機を降りて預けたスーツケースを受け取った時に壊れていたら、
出来る限り航空会社のカウンターに行って保証の書類をもらいましょう。
ツアーなど時間が取れない場合は添乗員に相談ください。ほとんどの場合で何らかの保険が使えます。

保険で治す

海外旅行ならほぼ保険で治せます。

(1)航空機搭乗中、預けた荷物の故障は航空会社に請求できます。受け取ったらすぐ点検、壊れてたらすぐに航空会社の係員に、団体ツアーなど送迎バスの時間が迫ってたらツアーの添乗員に申し出しましょう。
航空会社によってはスーツケースは衣類の梱包箱であり、本体から出っ張ってるキャスターやハンドルは対象外、ボディのへこみやすり傷も対象外という約款もあります。
例えば梱包箱が壊れて中身がこぼれちゃうとか、自走能力が完全になくなるとか機能喪失の程度によって補償もしてくれるみたいですし、対象外の場合でも旅行中の故障であるとの証明書を発行して(2)(3)の保険請求を助けてくれますので、航空会社のカウンターへ申し出てください。

(2)飛行機以外の現地での旅程中に故障した場合は旅行保険が使えます。
ツアーでは旅行保険代が含まれてるかどうか申込時に確かめましょう。

(3)毎回保険料を払って加入する旅行保険もありますがクレジットカードをお持ちでしたら、ほとんどのカードに旅行保険が付録で付いてます。旅行費用をカード払いした場合とか条件がカードによって様々ですので、出発前に確かめておきましょう、現地での買い物ででカード払いしても保険適用という条件もあるようです。

(4)レアーなケースですが日常生活損害賠償責任保険もあります。友達などに借りたスーツケースを壊しちゃった場合にその損害を賠償する保険です。
自転車で人を怪我させた場合の保険が加入義務化されましたが、物損も含んでいる保険が多いようです。自転車単独で加入するより自動車保険や生命保険のオプションが低価格で入れます。
国内旅行もOKですが自分のスーツケースでは使えない保険です。
保険会社によって海外では使えないとか違いがありますのでお確かめください。

ご注意 クレジットカードや自動車/生命保険などお客様がご加入の会社によって使えなかったりするものがあります。
必ずご旅行前に使えるものがあるかお確かめください。